メディア・表彰

おかげさまで10周年


10年走り続けることができました。

長いようで短い、あっという間の出来事でした。
ひとえに皆さんの日々の活動や支えてくれる皆さんのおかげです。
本当にありがとうございました。

僕の感覚では、パトランはひとつの村「パトランJAPAN村」です。
それでいうと、僕の役割は村長。パトラン事務局は管理組合。
村の維持や発展、問題があれば解消したり、また毎日のようにいただく質問や相談、時には不満の声に向き合ってきた日々。
それが積み重なり10年かあと感慨深いものがあります。

2013年1月8日、いまから10年前の今日、パトランはスタートしました。

始まりの地は、福岡県宗像市という小さなまち。
仲間5人でスタートし、少しづつ輪が広がり、気づけば2500人を超えるまでになりました。
10年前の僕からすると全くもって想定外の出来事です。

というのもこの活動を全国に普及させようとは思ってもなかったからです。
当時掲げていたのは「宗像を1,000人のパトランナーがいる街にしよう」でしたが今考えるとよっぽどこっちのほうが難しい。笑

パトランを開始して2年ほど経つと、パトランがたんぽぽの種のようにふわりとあちこちに飛んでいき、瞬く間に活動が全国に広がったので、「さあ各地にいるメンバーといかにコミュニケーションを図るのがいいだろう?」ということでパトランJAPANの枠組みができ、Facebookグループも立ち上がりました。
そして全国のメンバーを支えるためにパトラン事務局も発足したのです。

さて、問題はここから。
知識も経験もお金も人脈もないところからパトランを維持し発展させるためにどうしていこうかと、事務局メンバー内で地道にミーティングを重ねていきました。

例えば、チームづくり。
当初はパトランチームをつくるためのルールはなく言ったもん勝ちで作れていましたので、おかげで4つもチームを消滅させてしまいました。
失敗の経験を糧に、チーム化へのハードルを高くしましたが、それを乗り越えたチームは簡単には崩れません。

いろいろな取り組みも行ってきました。
認定パトランナーや年間の活動を表彰するパトランAWARDは、成果が見えにくい防犯活動において、個々人の実績を目に見える形にし明日へのモチベーションにつながればとの思いかスタートしたものです。

パトっちは、パトラン全体の活動実績を可視化するために開発したツールです。目に見えにくい防犯活動だからこそ、誰もがわかる数字でパトランの実績を表現する必要性を感じていました。
数値化したおかげで、パトランを紹介する際の説得力が格段に上がったと感じます。ただ、まだ利用率は半分に満たないので意図を伝えるのはもちろん、使いたいと思うような機能を追加したりとアップデートの必要性も認識しています。

その後も山あり谷ありでやってきましたが、苦境となったのはやはりコロナ。
2020年に蔓延し始めてからは、活動がままならない状況が続きメンバー同士が交流できる機会が減少し全体的な活気も薄れていき。。

これだけ大きな母体となると様々な維持コストがかかりますが、活動が停滞しその費用を工面しきれずパトラン解散が脳裏にチラつく日々。
3つの銀行から資金を借入れながら、なんとか食いつないできました。
パトランサポーターや寄付で応援いただくメンバーのみなさんの存在にも助けられました。

以降、安定的な財源確保の必要性を痛感し、企業や自治体などの第三者との連携にも注力するようにしていきました。すべてはパトランを維持するため。

ただ、この苦境時において一筋の光もありました。
オンラインで全国メンバーと一緒にパトランするシンクロパトランは東京チームの発案で始まり、新たなスタイルとして定着しました。
チーム活動は停滞したものの、個々人でのパトランを地道に継続してくれるメンバーも多くありがたかった。最終的には、年間の活動人数も右肩上がりでパトランの実績としては申し分ない状況でした。

パトランの目指す「子どもや女性、お年寄りが安心して暮らせる社会」の実現のため、パトランを日本の文化レベルまで浸透させていくには、社会的な認知度の向上は欠かせません。

今までは私的な取り組みの範疇を越えず、外部からは自己満足な活動と捉えられることがあるのも事実。
だからこそ、この取り組みの本質的な価値を伝えていかないといけません。

パトランという組織はまだまだ発展途上。伸び代と可能性は無限です。
これからの10年、パトランは新たなステージへと突入します。

それは”公益性を持つ社会的な活動”として世の中に認知されるということを意味します。
広く世界へ向けてもパトランという概念を発信していきたいと思っています。それを見据えてロゴデザインやTシャツデザインもリニューアルします。

今後も色々な取り組みを行うと思いますが、中には奇想天外なものもあるやも知れません。
不安を与えることもあるかもしれませんが、パトランの掲げるビジョン・ミッションを忘れることはありませんのでご安心を。

最後にひとつ、10年を迎えるにあたり皆さんへお願いしたいのは
「楽しくパトランしてください」ということです。

楽しんでやっている人が少ないとかそういう意味ではなく、次のステージに入ろうが入るまいが、いまと変わらず楽しくパトランしてほしいなと思っています。
僕はパトランを通じて、人生が豊かになったり毎日が充実したメンバーの姿や話を聞くのが好きなので、パトランして良かったと思える人を1人でも増やせるように僕も自身の役割を全うします。

ついでに、個人の枠を超えて、パトランJAPANという視座をもち、パトランを一緒に盛り立ててくれると嬉しいかぎりです。
皆さんの一挙手一投足が大きな力になります。

これからの10年も変わらずにパトランをよろしくお願いします。

パトランJAPAN 代表 立花

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